新検見川メンタルクリニック

当院について

院長ごあいさつ

新検見川メンタルクリニック院長 佐々 毅

人間は誕生してから言語を学び経験を積んで自己を形成してゆきます。自分が生きている社会環境や対人関係を安心して認識し、それを維持してゆくことができること、それこそが人間が誕生直後に母親に包み込まれるように抱かれて感じていた安心感が置き換えられてきたものなのです。
今日の社会は経済原理のもとに情報と物が氾濫していて、生き方や物に対する価値観も落ち着くまもなく変化への適応を余儀なくされてしまいがちとなっております。そのような状況の中で「安心できる環境や対人関係」を維持してゆくことは、もはや決して「できて当たり前」のことではなくなっているのです。メンタルな危機は、実はすべてこの「安心できる環境や対人関係」という土台の揺らぎからもたらされています。そしてその揺らぎに対する「ゆがんだ適応」として不安やうつ症状、引きこもりや摂食障害などのさまざまな症状が形成されてゆくのです。でも、そのような変化に必死に追いつき続けることが、はたして本当に「あなたらしく生きる」ことなのでしょうか。もっとゆったりした本当に「あなたらしい適応」は別の生き方にあるかもしれません。
私たちは、「メンタルな危機」を真に「あなたらしい適応」を得るためのチャンスとして捉えたいと考えております。私たちの出会いが、あなたの心の健康の回復と「あなたらしく生きる」ための成長につなげられるように、「寄り添う医療」を提供してゆきたいと思っております。

院長 儘田 孝

共に歩む。

「こころの病」とはどういう状態をさすのでしょう。私は「それしかない」という思考に陥ってしまった状態と考えています。「こころの病」といっても種類はさまざまです。しかし、こころの柔軟性が少なくなり、車のハンドルで言う「遊び」がなくなった状態であることにかわりはないと思います。うつ病ならゆううつな気分「しかない」、摂食障害なら食事に関する心配「しかない」、統合失調症の急性期なら幻覚妄想「しかない」などです。従って、治療の目標は「これしかない」を「あれもこれもある」状態に向ける事にあると考えています。

実際の治療は、薬物療法と精神療法が中心となります。薬に関しては「薬で性格がかわってしまう」とか、逆に「心の問題は薬では治らない」という質問をよく受けます。人は、通常でも一見自由に思考・行動しているように見えて、実は外的環境や自分自身の思考パターンに制約されているものです。特に、「こころの病」になると、病的な思考・行動パターンに強く影響されます。薬物療法は、この病的な思考・行動パターンを改善することで回復をうながすものであって、「性格をかえる」ものではありません。一方、薬だけでは充分ではなく、お話しをうかがい、どういった思考・行動パターンが生活する上での支障となっているかを同定し、どうすればいいかを共に考えていくことが必要です。これが精神療法です。しかし、どのような治療をするにしても、最も重要なことはより快適に日常生活を送れるようになることです。病気を治療していくことは当然ですが、それと同時に症状だけにとらわれず、皆さんと「共に歩む」姿勢で、何がその人その人にとって望ましいのかを一緒に考えながら診療にあたりたいと考えます。

「今を生きる」ことはそんなにたいへんなことではないかもしれません。もし社会や、それによって知らぬ間にできた自分のパターンを変え、「これしかない」を「あれもこれもある」視点でみることができれば。

共に暮らす。

「こころの病」は、今だ特別なものと考えられているのが現状です。しかし、実際はだれにでも生じうるものなのです。たとえば、WHOの報告では、人が一生のうちでうつ病にかかる割合は5人に1人とされています。また、ある時点での有病率も、百数十人に1人であって、とてもよくある病気と言えます。ただ、こういったところで偏見がすぐなくなるわけではありません。

希望はあります。自立支援法の制定で、曲がりなりにも身体障害、知的障害に加えて精神障害も同じ立場としてサービスを受けられる素地ができました。それまでは、精神障害者に対する施策は、他の2障害に比べて大きく立ち遅れていました。それに先行する形で、障害者スポーツでは、バレーボールが障害者スポーツ大会の中で行われるようになっています。いわゆる健常者と障害者が地域で「共に暮らす」ことの重要性はいろいろなところで言われています。私は、この地域で診療を行うことで、精神障害者がコミュニティのなかで「共に暮らす」お手伝いができればと考えています。

また、思春期の問題や、高齢者の認知症など、家族だけでなく、学校や地域、行政などコミュニティとして協力して支えていく必要がある問題についても積極的に取り組みたいと考えています。

勤務医紹介

常勤医師 儘田 孝(院長)
勤務:月曜日・火曜日(PMのみ)・水曜日・木曜日・土曜日(第4週は休診)
   
非常勤医師 森 章
勤務:月曜日
山口 湧声
勤務:火曜日(AMのみ)
大渓 俊幸
勤務:火曜日
新見 隆之
勤務:水曜日
富沢 想
勤務:木曜日
小澤 健
勤務:金曜日
上田 光人
勤務:金曜日
宮本 尚哉
勤務:土曜日
医師勤務表
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